AI検索・SEOのROI計算|流入ではなく適格相談・粗利で90日評価する
Editorial note
- GXO株式会社 / LABOZ編集部が、SEO・AI検索・SNS集客の実務観点で公開内容を確認しています。
- AIを活用する場合も、構成、事実関係、成果表現、CTAは人間が確認し、必要に応じて更新します。
目次
AI検索・SEO施策のROIを「順位が上がった」「表示回数が増えた」「記事を10本公開した」で評価すると、経営判断を誤ります。これらは途中の観測値であり、売上や利益ではありません。反対に、検索から受注まで完全な因果を証明しようとしても、検討期間、複数接点、紹介、指名検索が混ざるため止まります。
実務では、検索接触→サイト利用→診断・問い合わせ→適格相談→商談→受注→粗利を段階別に記録し、断定できる範囲だけで投資判断します。本記事では、90日で継続・変更・停止を決めるための計算表を示します。
ROIの前に、目的を1つに絞る
同じ施策でも、目的が認知、資料ダウンロード、相談、受注では評価が違います。GXOの主要目的は、年商10〜100億円前後でIT・マーケティング責任者が不足する企業から、具体的な診断・発注準備相談を増やすことです。広いアクセスではなく、月30件程度の有資格相談から適合案件を選び、月2件程度の良質受注を目指します。これは目標であって実績保証ではありません。
自社では、次の1文を埋めてください。
[対象顧客]から[対象サービス]について、[適格条件]を満たす相談を増やし、[評価日]に投資を判断する。
7段階のファネルを分けて測る
| 段階 | 指標 | 主な取得元 | 注意 |
|---|---|---|---|
| 1. 検索接触 | クリック、表示、クエリ、ページ | Search Console | GSC内の集計単位を揃える |
| 2. サイト利用 | セッション、流入元、ページ遷移 | GA4 | GSCクリックと同じ指標ではない |
| 3. 意思表示 | 診断完了、問い合わせ、予約 | GA4キーイベント・DB | 送信完了を計測する |
| 4. 適格相談 | 予算、決裁、課題、時期が合う相談 | 営業台帳 | 件数の定義を固定する |
| 5. 商談 | ヒアリング・提案対象になった件数 | 営業台帳 | 無料問い合わせと分ける |
| 6. 受注 | 契約件数、売上 | 契約・会計 | キャンセルを反映する |
| 7. 粗利 | 売上−直接原価 | 会計・工数 | 制作・外注・ツール・運用工数を含める |
Search Consoleのクリック、表示回数、CTR、平均掲載順位は検索パフォーマンスの指標です。Googleの公式ヘルプも、データの集計方法やページ・プロパティ単位の違いを案内しています。GA4では重要なイベントをキーイベントとして扱えます。両者を同じ数字として足さず、日付、タイムゾーン、URL、チャネルを揃えて段階間の傾向を見ます。
入力する数字
費用
- 外注費、ツール費、制作費、開発費
- 社内の企画・取材・承認・実装・営業連携時間
- 初期調査費を何か月で評価するか
成果
- 適格相談件数
- 商談件数と提案件数
- 受注売上
- 受注案件の見込み粗利または確定粗利
見込み粗利を使う場合は「見込み」と表示し、確定値と混ぜません。複数チャネルを通った案件は、最後の流入元だけでSEOの成果と断定せず、「検索記事を閲覧」「AI検索を認知経路として回答」「営業が記事を送付」など接点を併記します。
基本式
粗利ROI =(施策に関連づけた粗利 − 施策総費用)÷ 施策総費用 × 100
ただし「関連づけた粗利」の定義が最重要です。厳格、標準、参考の3列を持つと誇張を避けられます。
| 列 | 計上条件 |
|---|---|
| 厳格 | 対象ページから同一セッションで問い合わせ、営業確認済み |
| 標準 | 初回・途中接点に対象ページがあり、顧客も認知経路を回答 |
| 参考 | 期間中の受注で接点は不明。ROI本体へは入れない |
データ量が少ない初期はROIが大きく振れます。0件と1件の差が大きいため、金額だけでなくファネルのどこまで進んだかも見ます。
仮の数字で計算方法だけ確認する
以下は実績でも相場でもなく、計算手順を確認するための例です。90日の施策総費用が120万円、厳格条件で関連づけられた確定粗利が0円なら、粗利ROIはマイナス100%です。見込み粗利180万円の提案中案件が1件あっても、まだ確定粗利ではないため、厳格列のROIへ入れません。
標準列で、顧客が記事を認知経路として回答し、受注後に確定粗利180万円となった時点では、計算上の粗利ROIは(180万円−120万円)÷120万円×100=50%です。ただし、記事だけの寄与とは断定せず、営業接触や紹介など他の接点を併記します。参考列の受注は金額へ加えず、次回から認知経路を取得する改善課題にします。
ROIがプラスでも、対象外案件の対応工数、解約、回収不能、追加開発で粗利が変われば結論も変わります。90日時点の見込みと案件終了後の確定を分け、後から更新できる台帳にします。
90日評価シート
| 項目 | 開始前 | 30日 | 90日 | 判断 |
|---|---|---|---|---|
| 対象記事・ページ数 | 記入 | 記入 | 記入 | 作業完了か |
| GSCクリック・表示 | 記入 | 記入 | 記入 | 露出変化 |
| 対象セッション | 記入 | 記入 | 記入 | サイト到達 |
| 診断・問い合わせ | 記入 | 記入 | 記入 | 意思表示 |
| 適格相談 | 記入 | 記入 | 記入 | 対象適合 |
| 商談・提案 | 記入 | 記入 | 記入 | 営業接続 |
| 受注・見込み粗利 | 記入 | 記入 | 記入 | 経営成果 |
| 施策総費用 | 記入 | 記入 | 記入 | 投資額 |
継続・変更・停止の決め方
継続
適格相談や商談が発生した、またはその前段で対象クエリ・対象ページのクリックとCTA遷移が一貫して増え、技術・計測の重大な欠損がない場合です。同じ型をすぐ量産せず、どのページ・読者・CTAが寄与したかを確認します。
変更
表示は増えたがクリックがない、クリックはあるが診断へ進まない、診断はあるが適格でない、のいずれかです。段階に応じてタイトル、検索意図、CTA、対象ペルソナ、フォーム、商品条件を変えます。
停止
計測できない状態が続く、実装が承認されない、対象外流入しか増えない、証拠を示せない量産が必要になる、合意した作業が上限内で成立しない場合です。順位がまだ上がらないという1点だけで直ちに停止とはしませんが、観測不能のまま継続もしません。
AI検索の寄与をどう記録するか
GoogleのAI機能からのトラフィックはSearch Consoleの「ウェブ」検索タイプに含まれると公式ドキュメントで案内されていますが、通常の検索結果と完全に分離した専用レポートではありません。他社AIサービスからの流入は参照元が取得できない場合もあります。次を組み合わせます。
- 主要質問の回答、日時、モデル、引用URLの定点記録
- GA4の参照元・ランディングページ
- 問い合わせフォームの認知経路
- 商談での「何を見て相談したか」
AI回答に社名が出たことと、その回答が相談を生んだことは分けてください。社名言及は観測、相談・商談は事業成果です。
よくある質問
Q. 受注がない90日間は失敗ですか
商談期間と母数によります。受注だけでなく、適格相談までの各段階、実装完了、計測可否を確認します。ただし母数不足を理由に無期限継続せず、次の評価日と停止条件を更新します。
Q. 指名検索の増加はROIへ入れますか
中間指標として記録します。指名検索だけを金額へ換算せず、診断・商談・受注との接点を確認できた範囲で評価します。
Q. AIに引用された回数を成果にできますか
観測指標にはできますが、売上成果とは分けます。対象サービス、質問、反復回数、日時、モデル、引用判定を固定しないと前後比較もできません。
Q. Labozの月30万円は何件受注すれば合いますか
顧客の案件粗利によって異なります。自社の平均ではなく対象サービスの見込み粗利を入れ、厳格・標準・参考の3列で計算してください。Labozの費用と範囲は比較ページにあります。
まとめ
AI検索・SEOのROIは、GSC、GA4、診断、適格相談、商談、受注、粗利を段階別に記録し、施策総費用と比較します。表示回数、記事本数、AI引用を売上と混同しません。関連づける粗利は厳格・標準・参考に分け、90日で継続・変更・停止を決めます。
まだ基準値、実装者、相談条件が決まっていなければ、ROI計算より先に投資判断シートを使ってください。一般的な確認論点は無料診断、個別データの計測設計は有償Phase 0で扱います。
参考: Search Console パフォーマンス レポート、Google Analytics キーイベント、Google検索のAI機能(2026年9月4日確認)。
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