「オウンドメディア担当になったけど、何から手をつければいいかわからない…」そんなWebマーケティング初心者の方へ。
「そもそもオウンドメディアとは?」という疑問から、Webサイト、ブログ、SNSなどさまざまな種類のオウンドメディアの特徴やメリット・デメリット、具体的な始め方、成功事例までをこの記事だけで徹底解説します。
SEO対策やコンテンツマーケティング、効果測定など、担当者として知っておくべき知識も網羅しているので、これを読めば全体像が理解可能です。
競合との差別化や効果的なKPI設定など、明日から使える実践的なノウハウも満載。
ライバルに差をつけるオウンドメディア戦略を、一緒に考えてみませんか?
目次
この記事を読んでほしい人
- オウンドメディア担当になったばかりで、何から始めればいいか悩んでいるWebマーケティング初心者の方
- オウンドメディアの基礎知識や具体的な始め方を知りたい方
- 自社のWebマーケティング戦略にオウンドメディアを活用したいと考えている経営者や事業責任者の方
この記事でわかること
- オウンドメディアとは何か、Webマーケティングでなぜ重要なのか
- ブログ、Webサイト、SNSなど、さまざまな種類のオウンドメディアの特徴やメリット・デメリット
- オウンドメディアの始め方5ステップ、成功事例、よくある質問と回答
オウンドメディアとは?Webマーケティングで重要な理由も解説
オウンドメディアとは、企業が自社で所有・運営するメディアのことです。
企業のWebサイト、公式ブログ、SNSアカウント、メールマガジンなどが代表例として挙げられます。
これらのメディアを通じて、企業は自社の情報を発信し、製品やサービスの魅力を伝えたり、顧客とコミュニケーションを図ったりします。
オウンドメディアと他のメディアの違い
オウンドメディアは、ペイドメディア(広告)やアーンドメディア(口コミなど)と並ぶ、Webマーケティングにおける主要なメディアの一つですが、下記のように特徴は異なります。
- オウンドメディア:企業が自ら所有・運営するため、情報発信の内容やタイミングを自由にコントロール可能。長期的なブランド構築や顧客との関係性強化に役立つ。
- ペイドメディア:テレビCM、Web広告、SNS広告など、費用をかけて情報を発信するメディア。短期間で多くの人の目に触れられるものの、費用がかかるのがデメリット。
- アーンドメディア:SNSでのシェア、口コミ、レビューサイト、メディア掲載など、ユーザーが自発的に情報を拡散してくれるメディア。信頼性が高い一方、拡散をコントロールするのが難しい。
なぜ今、オウンドメディアが必要なのか?
企業は顧客に役立つ情報を提供し、信頼関係を築けるうえ、商品やサービスの購入につながりやすくなることから、オウンドメディアを必要としています。
現代は情報があふれており、消費者は日々膨大な情報にさらされ、広告への警戒心も強くなっているため、企業が一方的に情報を発信するペイドメディアだけでは、顧客の心を掴むことは難しくなっているのです。
化粧品会社が美肌に関する情報を発信するブログを運営している場合、ブログを読んだユーザーは、化粧品会社に対して「美肌のプロ」というイメージをもつだけでなく、その会社の製品に興味を抱き、商品を購入する可能性が高まります。
また、オウンドメディアでSEO(検索エンジン最適化)対策を施したコンテンツを作成すれば、検索結果の上位に表示されやすくなり、より多くの潜在顧客にアプローチできるのも企業のメリットです。
【種類別】オウンドメディアの特徴を解説
ここからは、種類別にオウンドメディアの特徴を解説していきます。
- ブログ:情報発信と読者との交流に最適
- Webサイト:企業の顔となる重要なメディア
- SNS:情報拡散力とリアルタイムなコミュニケーションが魅力
- 動画:視覚的に訴求し、記憶に残る情報発信
- メルマガ:顧客との関係を維持し、購買意欲を高める
オウンドメディアにはさまざまな種類があり、それぞれ特徴や活用方法が異なります。
自社の目的に合ったオウンドメディアを選ぶことが重要です。
ブログ:情報発信と読者との交流に最適
ブログは、オウンドメディアの中でも最も手軽に始められるものの1つで、読者とのコミュニケーションを図るのに適しています。
ブログは以下の理由から、読者との双方向コミュニケーションが取りやすいためです。
- 情報の更新が容易
- コメント欄やSNSシェア機能を活用すれば読者の反応をダイレクトに受け取れる
また、ブログは、SEO対策に有効なコンテンツマーケティングの手法としても活用でき、検索エンジンからの集客が見込めます。
一方で、ブログはコンテンツの質が低いと読者の信頼を得られないというデメリットもあるので、注意が必要です。
読者のニーズに合った有益な情報を提供することはもちろん、定期的に更新し、競合他社のブログと差別化を図るための工夫をしましょう。
Webサイト:企業の顔となる重要なメディア
企業のWebサイトは、いわば「会社の顔」です。デザイン性やユーザビリティに優れたWebサイトは、訪問者に良い印象を与え、企業への信頼感を高めます。
また、Webサイトは、自社の情報を網羅的に発信できるため、顧客が知りたい情報を見つけやすく、問い合わせや購入に繋がりやすいのもメリットです。
企業情報や製品・サービス情報を発信するだけでなく、問い合わせフォームや資料請求フォームなどを設置すれば、リード獲得にも繋がります。
一方で、Webサイトは制作や更新に専門的な知識が必要な場合があるうえ、SEO対策も重要であり、検索エンジンに評価されるようなWebサイト作りが求められるのがデメリットです。
さらに、Webサイトの運用にはある程度の費用や時間が必要になるため、中小企業にとっては負担が大きいと感じる場合もあります。
SNS:情報拡散力とリアルタイムなコミュニケーションが魅力
SNSは次の理由から情報拡散力が高く、リアルタイムでコミュニケーションを取れる点が魅力です。
- フォロワーや友人などに情報がシェアされることで、より多くの人に情報を届けられる
- コミュニケーションにより顧客との関係性を深められる
特に、SNSは若年層の利用者が多いため、ターゲット層によっては非常に効果的な集客ツールとなります。
Facebook、X(旧Twitter)、Instagram、LINEなど、さまざまなSNSプラットフォームがあるので、それぞれの特性を理解し、ターゲット層に合わせた情報発信を行うことが重要です。
ただし、SNSは、炎上リスクや情報漏洩リスクなど、注意すべき点もあります。投稿内容には十分に配慮し、適切な運用を行いましょう。
また、SNSは、アルゴリズムの変化によってリーチ数が変動する可能性があることから、常に最新の情報を収集し、戦略を調整していく必要もあります。
動画:視覚的に訴求し、記憶に残る情報発信
動画は視覚的に情報を伝えられるため、ユーザーの関心を引きやすく、記憶にも残りやすいというメリットがあります。
動画コンテンツでは、製品紹介や使い方説明、イベントレポート以外に、ライブ配信機能を活用することで、リアルタイムで視聴者とコミュニケーションを取ることも可能です。
動画はテキストや画像よりも情報伝達力が高く、感情に訴えかけられるので、ブランディングやエンゲージメント向上にも貢献します。
また、YouTubeやTikTokなど、動画プラットフォームを活用した情報発信も効果的です。
一方で、動画制作には、下記のようなデメリットがあるので、押さえておいてください。
- 撮影機材や編集ソフトなど、ある程度の費用やスキルが必要
- テキストコンテンツよりも情報量が少なくなりがちでSEO対策には不向きな場合がある
- 動画制作には時間がかかる
- 定期的なコンテンツ更新が難しい
メルマガ:顧客との関係を維持し、購買意欲を高める
メールマガジンは、顧客との関係を維持し、購買意欲を高めるための有効な手段です。
顧客のメールアドレスという貴重な情報を入手できるうえ、顧客の興味関心に合わせた新商品情報やキャンペーン情報などを定期的に配信できるからです。
また、メルマガは、他のオウンドメディアと比較して、開封率やクリック率が高く、直接的な販促活動に繋がりやすいという特徴があります。
ただし、メルマガは、配信頻度や内容によっては、顧客に迷惑がられてしまう可能性があるので、配信頻度や内容には十分に配慮し、顧客にとって有益な情報の提供を心がけましょう。
もちろん、メールアドレスの収集や管理には、個人情報保護法などの法規制を遵守してください。
オウンドメディア用語集
ここでは、Webマーケティング担当者なら知っておきたい、オウンドメディアにまつわる専門用語をまとめました。
- SEO (Search Engine Optimization)
- コンテンツマーケティング
- ペルソナ
- リード (見込み顧客)
- リードナーチャリング
- CVR (Conversion Rate)
- KPI (Key Performance Indicator)
- エンゲージメント
- LTV (Life Time Value)
- KGI (Key Goal Indicator)
それぞれの用語の意味を理解することで、オウンドメディア戦略をより効果的に進められます。
SEO (Search Engine Optimization)
SEOとは検索エンジン最適化のことを言い、Googleなどの検索エンジンを使い、特定のキーワードで検索した際に、自社のWebサイトやコンテンツを上位に表示させるための施策です。
SEO対策を行うことで検索エンジンからの流入を増やし、オウンドメディアの認知度向上や集客効果を高められます。
SEO対策には、キーワード選定、コンテンツの質の向上、内部リンクの最適化など、さまざまな要素が関わってくることを覚えておきましょう。
コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングとは、価値あるコンテンツを提供し、見込み顧客を獲得・育成するマーケティング手法のことです。
ブログ記事、ホワイトペーパー、動画など、さまざまな形式のコンテンツを通じて、顧客の興味関心を惹きつけ、最終的に自社の製品やサービスの購入に繋げることが目的となります。
そのため、コンテンツマーケティングは、オウンドメディアの重要な戦略の一つといっても過言ではありません。
読者にとって有益な情報を提供できれば、信頼関係を築けるので、長期的な顧客育成に繋がります。
ペルソナ
ペルソナとは、オウンドメディアのターゲットとなる架空の顧客像のことです。
ペルソナの年齢、性別、職業、興味関心、悩み、課題などを具体的に設定することで、誰に向けて情報発信するのかが明確になり、よりターゲットに響くコンテンツを作成できます。
リード (見込み顧客)
リード (見込み顧客)とは、自社の製品やサービスに興味・関心を持ち、将来的に顧客になる可能性のある人のことです。
資料請求や問い合わせフォームの送信など、自社のWebサイト上で何らかのアクションを起こした人を指す場合が多い傾向にあります。
リードを獲得することは、オウンドメディアの重要な目標の一つです。リードナーチャリング(見込み顧客を育成する活動)を通じて、リードを顧客へと転換させていきましょう。
リードナーチャリング
リードナーチャリングとは、獲得したリードを顧客へと育成するプロセスのことです。
メールマガジン、Webセミナー、ホワイトペーパーなど、さまざまなコンテンツやコミュニケーションを通じて、リードの興味関心を高め、購買意欲を促進します。
リードナーチャリングは、オウンドメディアの長期的な成功に不可欠な要素の一つです。リードとの信頼関係を築き、適切なタイミングで適切な情報を提供できれば、成約率を高められます。
CVR (Conversion Rate)
CVR (Conversion Rate)とは、Webサイトへの訪問者の中で、目標とする行動(コンバージョン)を起こした人の割合のことです。
コンバージョンとは、資料請求、問い合わせ、購入など、Webサイト上で企業が設定した目標を達成することをいいます。
CVRは、オウンドメディアの効果を測る上で重要な指標の一つです。CVRを向上させるためには、Webサイトのデザインやコンテンツの改善、リードナーチャリングなど、さまざまな施策が必要となります。
KPI (Key Performance Indicator)
KPI (Key Performance Indicator)とは、目標達成度を測るための重要な指標のことです。
オウンドメディアのKPIとしては、アクセス数、PV数、滞在時間、CVRなどが挙げられます。
KPIを設定すれば、オウンドメディアの目標達成に向けた進捗状況を把握できるので、KPIを定期的に確認し、必要に応じて施策を修正していくことが重要です。
エンゲージメント
エンゲージメントとは、顧客が企業に対して抱く愛着や信頼感のことです。
SNSでのシェアやコメント、ブログ記事へのコメントなど、顧客が自発的に企業と関わる行動を通じて高まります。
エンゲージメントを高めることは、オウンドメディアの重要な目標の一つです。顧客との良好な関係を築けられれば、長期的なファンを獲得し、ビジネスの成長に繋げられます。
LTV (Life Time Value)
LTV (Life Time Value)とは、顧客生涯価値のことで、顧客が生涯にわたって企業にもたらす利益の総額を指します。
LTVを高めるためには、顧客満足度を高め、リピーターになってもらうことが重要です。
オウンドメディアを通じてLTVの高い顧客を獲得・育成することは、企業の長期的な収益向上に大きく貢献します。
KGI (Key Goal Indicator)
KGI (Key Goal Indicator)とは、最終的な目標達成度を測るための指標のことです。
オウンドメディアのKGIとしては、売上高、利益、顧客数などが挙げられます。
KGIを設定することで、オウンドメディアの最終的な目標達成に向けた進捗状況を把握できます。
また、KPIとKGIを連動させれば、より効果的なオウンドメディア戦略を立てられるのでおすすめです。
オウンドメディアのメリットとデメリットとは?徹底解説
この章では、オウンドメディアのメリットとデメリットを徹底解説します。
- オウンドメディアのメリット
- オウンドメディアのデメリット
オウンドメディアを導入してから後悔しないように、メリットとデメリットの両方を把握しておきましょう。
オウンドメディアのメリット
オウンドメディアのメリットとしては、次の5つが挙げられます。
集客効果がある
オウンドメディアでは、SEO対策やコンテンツマーケティングを通じて、検索エンジンからの流入を増やすことができ、長期的に安定した集客効果が期待できます。
ターゲット層が検索しそうなキーワードを含んだ記事を作成することで、検索結果の上位に表示されやすくなり、アクセス数増加に繋がるからです。
なお、SEO対策は、キーワード選定、コンテンツの質の向上、内部リンクの最適化など、多岐にわたり、専門的な知識が必要な場合もあります。
ブランディング効果がある
オウンドメディアで企業の価値観や理念を発信すれば、ブランドイメージを向上させられます。
社員インタビューや社会貢献活動に関する記事を掲載することで、企業の人間味や社会性をアピールできるためです。
ブランドイメージが向上すると、顧客からの信頼感が高まり、製品やサービスの購入に繋がりやすくなります。
また、競合他社との差別化を図る上でも、ブランドイメージの確立は重要です。
顧客と関係構築できる
オウンドメディアでは、顧客とのコミュニケーションを活性化および関係構築をして、エンゲージメントを高められます。
SNSでユーザーのコメントに返信したり、アンケートを実施したりすれば、顧客との距離を縮められるからです。
顧客との関係性が深まると、リピーターになってくれる可能性が高まります。
また、顧客の声を直接聞くことで、製品やサービスの改善に繋がる貴重なフィードバックを得ることもメリットです。
リード獲得できる
オウンドメディアに資料請求や問い合わせフォームなどを設置すると、見込み顧客を獲得できます。
オウンドメディアを通じて興味を持ったユーザーが、自社の製品やサービスを購入してくれる可能性が高まるためです。
また、リードナーチャリング(見込み顧客を育成する活動)を行うことで、より効率的に顧客を獲得できます。
コスト削減につながる
オウンドメディアでは広告費などのコスト削減をしながら、効率的なマーケティング活動を行えます。
オウンドメディアは、以下の理由から広告と比べて長期的な視点で見た場合、費用対効果が高いからです。
- 低コストで運用できる
- 一時的な効果しか期待できない広告と違い、オウンドメディアは資産として蓄積されていく
また、オウンドメディアを通じて得られた顧客は、広告を通じて獲得した顧客よりもロイヤリティが高く、LTV(顧客生涯価値)も高い傾向があります。
オウンドメディアのデメリット
続いて、オウンドメディアのデメリットは以下のとおりです。
運用コストがかかる
オウンドメディアでは、コンテンツ作成や更新、SEO対策など、継続的な運用コストが発生するだけでなく、効果的に運用するためには、専門的な知識やスキルが必要な場合もあります。
そのため、人材の確保や育成、外部の専門家への依頼など、コスト面での負担が大きいと感じる方もいるのがデメリットです。
効果測定が難しい
オウンドメディアの効果を正確に測定することは難しい場合があります。
アクセス数やPV数だけでなく、コンバージョン率や顧客満足度など、さまざまな指標を総合的に分析する必要があるからです。
とはいえ、効果測定を適切に行わないと、オウンドメディアの改善点がわからず、効果的な運用が難しくなる可能性があります。
そのため、効果測定には、以下のツールや手法を取り入れ、データにもとづいて改善を繰り返すことが重要です。
- Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツール
- A/Bテストなどの実験的な手法
コンテンツ作成が負担となりやすい
オウンドメディアでは、コンテンツ作成が負担となりやすい傾向にあります。
質の高いコンテンツを継続的に作成するには、時間と労力が必要だからです。
コンテンツ作成には、企画、執筆、編集、校正など、さまざまな工程があります。これらの工程を効率的に進めるためには、社内のリソースを有効活用したり、外部の専門家に依頼したりするなどの工夫が必要です。
コンテンツの質が低いと、読者の信頼を得ることができず、オウンドメディアの効果が半減してしまう可能性もあります。
即効性がない
オウンドメディアは、広告のようにすぐに効果が出るものではありません。一般的に検索エンジンから評価されるようになるには半年ほどかかるといわれているからです。
短期間で集客や売上アップを目指す場合には、広告などの他の施策と組み合わせましょう。
競合との差別化が必要
競合他社もオウンドメディアを運営している場合、差別化を図る必要があります。
差別化できないと、類似の質の低いコンテンツであると検索エンジンに評価されてしまうためです。
競合他社のコンテンツを分析し、自社のコンテンツとの違いを明確にして、自社の強みや特徴を活かしたコンテンツを作成しましょう。
【初心者向け】オウンドメディアの始め方5ステップ
オウンドメディアを始めるには、下記のステップを踏むのがおすすめです。
- ステップ1. 目的・目標設定:なぜ始めるのか、何を達成したいのかを明確にする
- ステップ2. ターゲット設定:誰に向けて情報発信するのか、ペルソナを設定する
- ステップ3. コンテンツ企画:ターゲットに響くコンテンツを企画し、SEO対策も意識する
- ステップ4. プラットフォーム選定:目的やターゲットに合ったプラットフォームを選ぶ
- ステップ5. コンテンツ作成・発信:魅力的なコンテンツを作成し、定期的に発信する
オウンドメディアを立ち上げようと考えている方は、目をとおしてみてください。
ステップ1. 目的・目標設定
まずは、オウンドメディアで何を達成したいのか、次のような具体的な目的と目標を設定します。
- 「Webサイトへのアクセス数を月間1万PVに増やす」
- 「資料請求数を月間500件にする」
ちなみに、目的や目標は、Specific(具体的)、Measurable(測定可能)、Achievable(達成可能)、Relevant(関連性がある)、Time-bound(期限がある)の頭文字を取ったSMARTの法則に基づいて設定すると効果的です。
SMARTの法則に沿って目標を設定すれば、目標達成までの道筋が明確になり、効果的な施策を立案できます。
ステップ2. ターゲット設定
目的と目標が定まったら、オウンドメディアを使って誰に向けて情報発信するのか、ペルソナを設定しましょう。
ペルソナとは、オウンドメディアのターゲットとなる架空の顧客像のことで、年齢、性別、職業、興味関心などを具体的に設定することで、ターゲットに響くコンテンツを作成できます。
ペルソナを設定する際は、自社の製品やサービスの利用者を想定し、その人たちが「どのような情報に関心を持っているのか」、「どのような悩みや課題を抱えているのか」を深く掘り下げて考えることが重要です。
ステップ3. コンテンツ企画
ペルソナを設定できたら、ターゲットに響くコンテンツを企画しましょう。
コンテンツ企画では、ターゲットが抱えている悩みや課題を解決できるような情報を提供することが重要だからです。
SEO対策も意識しながら、キーワード選定やコンテンツの構成を考えます。キーワード調査ツールなどを活用して、ターゲット層が検索しそうなキーワードを見つけ出すことが大切です。
また、競合他社のコンテンツを分析し、差別化を図ることも忘れないでください。
ステップ4. プラットフォーム選定
コンテンツを企画したら、目的やペルソナに合ったプラットフォームを選びましょう。
ブログ、Webサイト、SNSなどのプラットフォームにはそれぞれ異なる特徴があるからです。
- ブログ:情報発信をメインにする場合におすすめ
- Webサイト:企業情報を発信する場合におすすめ
- SNS:顧客とのコミュニケーションを重視する場合におすすめ
また、必要に応じて複数のプラットフォームを組み合わせて活用するのが有効な場合もあります。
ステップ5. コンテンツ作成・発信
プラットフォームが決まったら、魅力的なコンテンツを作成し、定期的に発信しましょう。
魅力的なコンテンツは検索エンジンから評価されやすいうえ、定期的な更新によりユーザーを獲得しやすいからです。
なお、発信頻度や効果測定の方法も事前に決めておくと、スムーズに運用できます。
また、コンテンツは、文章だけでなく、画像や動画なども活用して、視覚的に訴えかける工夫をしましょう。
オウンドメディアの成功事例
ここでは、オウンドメディアを成功させている企業の事例を4つ紹介します。
- LIGブログ(Web制作会社のブログ)
- 北欧、暮らしの道具店(ECサイト)
- ferret(Webマーケティングメディア)
- クラシル(料理レシピ動画メディア)
成功事例を見て、自社でのオウンドメディア展開の参考にしてください。
LIGブログ(Web制作会社のブログ)
LIGブログは、株式会社LIGが自社のWeb制作ノウハウや社員の日常を発信するブログです。
社員の人柄や会社の雰囲気を伝えることで、企業ブランディングに成功しています。
LIGブログの特徴は、社員が自由に記事を執筆できる点です。個性豊かな社員たちが、Web制作に関するノウハウだけでなく、日常の出来事や趣味についての記事も投稿しています。
これにより、読者はLIGの社員の人柄や会社の雰囲気を知ることができ、親近感を抱いているのです。
また、LIGブログは、SEO対策にも力を入れており、検索エンジンからの流入を増やしているため、ブログを通じてLIGのファンになった読者は、Webサイト制作やコンサルティングサービスの利用に繋がる可能性も高いといえます。
北欧、暮らしの道具店(ECサイト)
「北欧、暮らしの道具店」は、商品を販売するECサイトでありながら、オウンドメディアとしても高い評価を受けています。
商品に頼らないストーリー性のあるコンテンツでファンを獲得しています。
「北欧、暮らしの道具店」のコンテンツは、商品紹介だけでなく、暮らしにまつわるエッセイやインタビュー記事など、ストーリー性のあるものが中心です。
読者は、コンテンツを通じて「丁寧な暮らし」という価値観に触れ、共感することで、ブランドのファンになっていきます。
また、「北欧、暮らしの道具店」は、SNSも積極的に活用しており、Instagramのフォロワー数は130万人*を超えているのも特徴です。
SNSを通じて、顧客とのコミュニケーションを深め、ブランドの世界観を共有することで、より強いエンゲージメントを生み出しています。
*出典:北欧、暮らしの道具店 Instagram公式アカウント「@hokuoh_kurashi」(2024年6月15日時点)
ferret(Webマーケティングメディア)
「ferret」は、Webマーケティングに関する情報を発信するメディアです。
専門性の高い情報を発信し、業界の信頼を獲得しています。
「ferret」は、SEO対策、コンテンツマーケティング、Web広告など、Webマーケティングに関する幅広い情報を発信しており、記事の内容は、専門性が高く、実務に役立つ情報が満載です。
また、「ferret」は、セミナーやイベントも開催していることから、Webマーケティング担当者にとっての情報収集の場としても活用されています。
クラシル(料理レシピ動画メディア)
「クラシル」は、dely株式会社が運営する料理レシピ動画メディアです。
手軽に見られるレシピ動画でユーザーの課題を解決しています。
「クラシル」は、短時間で簡単に作れるレシピ動画を多数配信しており、料理初心者でもわかりやすい解説と、おしゃれな動画編集が特徴です。
また、「クラシル」のアプリは、レシピ検索や買い物リストの作成など、便利な機能が充実しています。
ユーザーの課題を解決するコンテンツと機能を提供することで、多くのユーザーを獲得しているのです。
オウンドメディアに関するよくある質問
この章では、オウンドメディアに関するよくある質問と回答を紹介します。
- Q1. オウンドメディアは費用対効果が高いですか?
- Q2. オウンドメディアを始めるのに必要なスキルはありますか?
- Q3. オウンドメディアの効果測定はどうすればいいですか?
- Q4. オウンドメディアで成果を出すにはどうすればいいですか?
オウンドメディア担当になったものの、どうすべきかわからず悩んでいる方は参考にしてみてください。
Q1. オウンドメディアは費用対効果が高いですか?
一般的にオウンドメディアは費用対効果が高いといわれています。広告費などの費用を抑えながら、長期的な視点で顧客との関係を構築できるためです。
ただし、オウンドメディアの効果を最大限に引き出すには、コンテンツ作成やSEO対策など、継続的な投資が必要です。
また、短期的な効果を求めるのではなく、長期的な視点で運用することが重要です。
Q2. オウンドメディアを始めるのに必要なスキルはありますか?
オウンドメディアを始めるのに、特別なスキルは必要ありません。
WordPressなどのCMS(コンテンツ管理システム)や、note、アメブロなどのブログサービスを利用すれば、専門知識がなくても比較的簡単に始められるからです。
また、インターネット上で情報収集したり、セミナーに参加したりすることで、基礎知識を学べるうえ、必要に応じて外部委託もできます。
Q3. オウンドメディアの効果測定はどうすればいいですか?
オウンドメディアの効果測定は、Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールを利用することをおすすめします。
アクセス数、PV数、滞在時間、コンバージョン率など、さまざまな指標が簡単に表示されるからです。
定期的に分析し、改善点を見つけましょう。
Q4. オウンドメディアで成果を出すにはどうすればいいですか?
オウンドメディアで成果を出すためには、以下の3つのポイントを押さえて、PDCAサイクルを回しながら、オウンドメディアを改善していきましょう。
- ターゲットを明確にする:誰に向けて情報発信するのかを明確にし、そのターゲット層が求めている情報を提供することで、ユーザーからの評価を高める
- 質の高いコンテンツを作成する:読者の役に立つ、オリジナリティのあるコンテンツを作成できれば、検索エンジンからの評価も高まる
- 継続的に情報発信する:定期的にコンテンツを更新すれば、読者の関心を惹きつけられる
この記事のまとめ
この記事では、「オウンドメディアとは何か」について、Webマーケティング初心者の方にもわかりやすく解説しました。
オウンドメディアは、企業が自社で所有・運営するメディアであり、Webマーケティングにおいて重要な役割を果たします。
集客効果、ブランディング効果、顧客との関係構築、リード獲得、コスト削減など、さまざまなメリットが期待できるので、オウンドメディアを始めてみてください。
なお、オウンドメディアを始める際は、目的・目標設定、ターゲット設定、コンテンツ企画、プラットフォーム選定、コンテンツ作成・発信といったステップを踏むことが重要です。
成功事例を参考にしながら、自社に合ったオウンドメディアを構築し、Webマーケティングを成功させましょう。
SEO対策相談所にご相談ください
「オウンドメディアを始めてみたいけど、何から手をつければいいかわからない…」
そんな方は、ぜひ一度SEO対策相談所にご相談ください。専門家が、あなたの会社の状況や目的に合わせて、最適なオウンドメディア戦略をご提案します。
SEO対策相談所では、オウンドメディアの立ち上げから運用、効果測定まで、トータルサポートを行っているので、お気軽にお問い合わせください。
お問い合わせはこちら:SEO対策相談所無料相談受付中